“物”を造るということは、生活の始まりということができます。これから、自分の生き方をスタートさせるということです。 その中でも仏像を造るという行為は、自分自身の仏心をスタートさせるということができると考えています。ブッダに始まる、長い長い仏教の慈悲の心を、自分自身の心に映しながら、世界でたった一人しかいない自分自身でもって、一体の仏像を彫ることの意義を大切にしたいのです。 一片の、なんでもない原木に、コツコツとノミを入れながら、自分自身の仏を彫る。ノミのとぎ方、デッサンといったことから、一緒に、コツコツと作仏してゆきたいと考えております。