- 講師
- 鈴木 五郎 (慶応義塾大学名誉教授)
『冬物語』をまだ読んだことのない方、英語は苦手お
よび得意という方も大歓迎です。教材はメアリー・ラ
ムが青少年向けに書き直したものと、日本語に翻訳さ
れたもののコピーを併せて使用し、日本語でわかりや
すく解説していきます。気楽にご参加ください。
『冬物語』の制作年代は1610-11年頃で、初演の記録
はロンドンのグローブ座で1611年5月15日とされて
います。3362行からなります。
シチリア王レオンティーズは旧友ボヘミア王ポリクシ
ニーズを宮廷に招き9ヶ月間あまり厚遇する。長期
滞在に及んだポリクシニーズが帰国の途につこうと
すると、レオンティーズが滞在期間を延ばすよう説得
したが聞き入れなかったポリクシニーズは、王妃ハー
マイオニの滞在延期の勧めには応じる。これによりレ
オンティーズは説明不能な嫉妬の激情にかられ、廷臣
のひとりカミローに命じてポリクシニーズを毒殺する
よう命じる。カミローは主人の命令をポリクシニーズ
に漏らしともにボヘミアの領土に渡る。二人の逃亡を
知ったレオンティーズはますます猛り狂いマミリアス王
子を王妃から引き離しハーマイオニを牢獄へ閉じこめ
てしまう。王妃は牢獄で女児を出産。レオンティーズは
廷臣のクリオミニーズとダイオンをデルファイのアポ
ロ神殿にさしむけ神のお告げを承ってくるよう命じる。
王妃にはシチリアの貴族アンティゴナスの妻ポーライナ
という親切な友がおり赤子を王にみせるがなんの効果
もなく、逆に王はアンティゴナスにその赤子を海へつれ
だし人気のない海岸へ置き去りにしてくるよう命じる。
善良なカミローとことなりアンティゴナスは王に忠実だ
ったのですぐさま命じられた通り行う。