「文士の恋愛~生きた・愛した・書いた~」と題してお話ししてゆきたいと思います。
文士(一般には「文学者」と称しますが、こうしたお話の場合には、あえて「文士」と呼ぶ方がふさわしいような気がします)とて、人の子ですから、様々な人生を送っています。もちろん、その中には恋愛も含まれます。その恋愛にしても、一般人と同じような平々凡々たるものから、文士ならではといった、ある種特異なものもあります。
この講座では、私の守備範囲内の文士の恋愛を取り上げ、その恋愛がその文士の人生そのものと、そして創作活動や作品とどのように関連したのか、というような点についてお話ししてみたいと思います。
と言いつつ、例外的に作品に描き出された恋愛に触れるということもやってみます。作品論に過ぎないということになるかも知れませんが、テーマを恋愛一点に絞ってみれば、また、違った作品論になるかも知れません。