<授業内容と目的>
本会の指導は、最短4年以上の修練期間と指導者養成特別研修会における所定の単位を取得した「中伝」資格以上の者により行われ、授業内容の「自彊術31動と各動作の裏付けとなる療法」の理解をもとに、各31動によって“自分で自分に療法を施す自彊術„の修得を目的とする。
<自彊術(じきょうじゅつ)の歴史>
1916年(大正5)、自彊術は、医療制度の整備が未だ不充分であった大正時代初期に、民間療法である手技療法によって多くの患者さんの治療にあたった中井房五郎により、療法の施術にかわる「万病克服の治療体術」として創案された健康体操です。
第二次世界大戦前には、実施人口は300万人といわれた程隆盛でしたが、戦後、欧米科学・医療(偏重)重視の風潮と世人が古めかしい健康体操などに見向きもしなかったこと、また現代医学理論をもってこの体操の優秀合理性を解明する者が現れなかったことなどから廃れてしまいました。
しかし、その後自彊術に出会った東京大学医学部病理学講師であった近藤芳朗医博の医学的解明により、再び世の視聴を集め、1987年には文部省(現文部科学省)によって「社団法人自彊術普及会」の設立が許可されて「自彊術」の復活がなされました。また先の新公益法人制度改革に伴い、2011年4月、内閣府による公益認定を得て、「公益社団法人自彊術普及会」としての大きな一歩を踏み出すことになりました。
現在約57,000人の賛助会員、指導者数約1,900人、教場約4,700ヶ所・米国ワシントンDC,台湾台北でも活動がされています。
<自彊術の特色と効用>
①全31の動作があり、身体可動の極限まで動かす全身運動である。
②要する時間は、約20分である。
③各動作を順番に行うことによって、前の動作は次の動作の準備運動となり、全身の調和をはかる。
④各動作は、軽いはずみをつけて、その反動を利用するので、それ程エネルギーを消費しないため、年齢を問わず、また病弱者にもできる。
⑤独自の呼吸法と号令を用いる。
心身ストレスの解消、自律神経失調症、生活習慣病その他多くの諸症状の改善が報告されています。