~シェイクスピアをやさしい英語で~『から騒ぎ』を楽しもう

講師
鈴木 五郎 (慶応義塾大学名誉教授)

『から騒ぎ(Much Ado About Nothing)』をまだ読んだことのない方、英語は苦手および得意という方も大歓迎です。
教材はメアリー・ラムが青少年向けに書き直したものと、日本語に翻訳されたもののコピーを併せて使用し、日本語でわかりやすく解説していきます。気楽にご参加ください。
『から騒ぎ』の制作年代は1598-99年頃です。2581行から成っています。主な登場人物はメシーナの総督レオナートの娘ヒーローとフローレンスの若い貴族クローディオ卿です。レオナートの姪ベアトリスとパデュアの若い貴族ベネディック卿も、ヒーロー同様舞台で大活躍します。
エクトル・ベルリオーズなどは1861年の2幕のオペラで『ベアトリスとベネディク』を作曲しています。
メシーナの総督レオナートの屋敷に、娘のヒーローと姪のベアトリスが住んでいた。陽気な気質のベアトリスに対してヒーローは真面目なほうだった。ベアトリスは活発な洒落をとばしてヒーローを楽しませるのが好きだった。目の前で起こっていることは何でも彼女の冗談のネタになった。
そこに登場するのが、終わったばかりの戦争から凱旋途中にメシーナに立ち寄る貴族たちだ。レオナート総督に挨拶をするためだった。今度の戦争で勇ましい武勲をたてたつわものぞろいだった。その中に、アラゴン王国の領主ドン=ペドロー、その友人フローレンスの貴族クローディオ卿、パデュアの貴族ベネディック卿がいた。ベネディック卿は洒落のうまいうわべを飾らない貴族だった。

教室 第2教室(アンセルモ教会集会室)教室案内
授業日

毎週金曜日 13:30~15:00

持ち物 筆記用具
受講料

31,020円(税込) 3ヶ月12回(テキストコピー代込)

日程

<4月期>

4/07、4/14、4/21、4/28、5/12、5/19、5/26、6/02、6/09、6/16、6/23、6/30

※日程は変更する場合があります。

<7月期>

7/07、7/14、7/21、7/28、8/04、8/18、8/25、9/01、9/08、9/15、9/22、9/29

※日程は変更する場合があります。

体験会 1回分受講料で随時体験をお受けします。詳しくはお問い合わせください。
講師プロフィール 慶応義塾大学名誉教授
米国ホープカレッジ教養学部卒業
上智大学大学院英米文学研究科修士課程修了
英国バーミンガム大学附属シェイクスピア研究所
修士課程修了
慶応義塾大学大学院英文学研究科博士課程 満期退学


【講師から一言】
これら三人のつわものにとってメシーナ訪問は初めてではなかった。客もてなしのよい総督は娘と姪に三人を紹介するときに、昔なじみの友達であり、知り合いだと言った。
部屋に入るや否や、ベネディック卿はレオナート総督やドン=ペドロー公とにぎやかに話し始めた。話しの仲間はずれにされるのが嫌いな性分のベアトリスは、ベネディック卿の話しを邪魔してこう言った。「まだお話しになりますの、ベネディックさん。誰もあなたのことなんか聴いちゃいませんわよ。」
ベネディック卿はお喋りにおいてはベアトリスに決して引けを取らない自負があったので、この無遠慮な挨拶にはむかっときた。そこで思いだしたのだが、以前の訪問においてベアトリスが彼をからかいの標的にしたことだった。二人の間ではひやかしの火ぶたが切られ、挙げ句の果ては、お互いを憎みながら別れるのだった。
以上のようないきさつがあったので、今話しの腰を折られてもベネディック卿は動揺することなく、次のように切り返した。「おやおや、軽蔑家さん、あなたはまだ生きておられたんですか。」さあ、たいへん。またたく間に、激しい口争いの応酬が二人の間で始まり、長々と続いた。とりわけ、ベネディック卿の胸にぐさりと突き刺さった皮肉は、ベアトリスの「あなたはドン=ペドロー領主さまお抱えの道化師ね」と言うものだった。さて、ここで言う道化師の言葉にはどのような意味が含まれているのでしょうか。メシーナ総督レオナートの娘ヒーローとフローレンスの若い貴族クローディオ卿との関係はどうなるのでしょうか。受講生の皆様とテキストを読み進めながら多面的に考えて行きたいと思います。

備考 ■テキスト 講師がコピーしたものを使用します。
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