『から騒ぎ(Much Ado About Nothing)』をまだ読んだことのない方、英語は苦手および得意という方も大歓迎です。
教材はメアリー・ラムが青少年向けに書き直したものと、日本語に翻訳されたもののコピーを併せて使用し、日本語でわかりやすく解説していきます。気楽にご参加ください。
『から騒ぎ』の制作年代は1598-99年頃です。2581行から成っています。主な登場人物はメシーナの総督レオナートの娘ヒーローとフローレンスの若い貴族クローディオ卿です。レオナートの姪ベアトリスとパデュアの若い貴族ベネディック卿も、ヒーロー同様舞台で大活躍します。
エクトル・ベルリオーズなどは1861年の2幕のオペラで『ベアトリスとベネディク』を作曲しています。
メシーナの総督レオナートの屋敷に、娘のヒーローと姪のベアトリスが住んでいた。陽気な気質のベアトリスに対してヒーローは真面目なほうだった。ベアトリスは活発な洒落をとばしてヒーローを楽しませるのが好きだった。目の前で起こっていることは何でも彼女の冗談のネタになった。
そこに登場するのが、終わったばかりの戦争から凱旋途中にメシーナに立ち寄る貴族たちだ。レオナート総督に挨拶をするためだった。今度の戦争で勇ましい武勲をたてたつわものぞろいだった。その中に、アラゴン王国の領主ドン=ペドロー、その友人フローレンスの貴族クローディオ卿、パデュアの貴族ベネディック卿がいた。ベネディック卿は洒落のうまいうわべを飾らない貴族だった。
- 講師
- 鈴木 五郎 (慶応義塾大学名誉教授)